このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.1〜vol.10(2002年3/7〜7/18)に音響測定の関連コラムとして連載していたvol.4の音響測定のコラムを編集掲載したものです。
人間は、音量以外に、高い、低いなど音の高低も感じています。音の高低を物理的に扱う単位は、周波数Hz(ヘルツ)を用います。周波数は、テレビやラジオなどの放送電波の周波数や、今、ご利用になられているパソコンの動作周波数(700MHzとか、1GHzなど)などでも利用されている周期性のある信号などを表す単位です。
周波数は、1秒間に何回繰り返されるかを基準する物理的な尺度です。人の聴覚は、音量と同様、音の高さにも指数的な感覚を持っているため、周波数以外にも他の尺度があると便利です(周波数は、回数なので直線的な増減になります)。
一般の方が日常生活で周波数を用いて「440Hzと880Hzの…」などとは使っていないように、音楽的な音の高低の単位としては通常利用していません。音楽では、音の高さは音程として、ドレミファソラシ(CDEFGAB,ハニホヘトイロ)など音階名が利用されていることは、学校の音楽などでよくご存知ですね。
音階は、1オクターブで1順し、オクターブごとにドレミ…となります。
1オクターブ高い音は、周波数が倍に、1オクターブ低い音は、周波数が半分の関係にあります。
オクターブは、2つの音の周波数が倍や半分の関係になり2音の和音関係としては、最も良く調和します。音楽的にも、物理的にも重要な周波数関係がオクターブの関係です。
ドレミファソラシドは、イタリア語であることはみなさん ご存知だと思います。聖ヨハネ賛歌から取られたドレミの音階名は、フランス、イタリアなどで、ABCD(アー、ベー、ツェー、デー...そんな発音ではドイツ語にならないないとつっこまないでください(^^; )のドイツ流は、ドイツ、イギリス、アメリカなどが主流のようです。
ハニホヘト...は、当然日本だけです。
現在主流の1オクターブを12の音階に均等に分ける12平均律は、厳密にはハーモニーにならないのですが転調に便利なため19世紀以降、広く使われるようになったことは、みなさんもよくご存知の通りです。
12平均律は、オクターブの2の指数関係を1/12にしますから12√2(式をキチンとテキストで表現できませんが12乗根です)で周波数を計算します。楽器などでは、1/12の半音を、さらに1/100にした1セントという単位もチューニングなどで用います。
余談ですが、実際のピアノなどのチューニングでは、厳密には、オクターブ関係を全て、倍、倍の関係ではなく、ストレッチ・チューニングといって、高音部と低音部をわずかにずらしてチューニングされることが多いようです。
ストレッチ・チューニングの方が華やかに聞こえるという心理的な理由からこのチューニングが好まれるそうです。
A4=440Hzの基準音のチューニングも441、442Hzあたりでチューニングされることが主流なのと似て面白いですね。
現在の電子楽器では、12平均率以外にも、古典などの時代に利用されていた純正律なども利用できるようになっている楽器製品が多くあります。
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)は12平均律のキーをデータとしていますし、各音程のピッチをそれぞれ独立に変更することはできませんが(音源の機能とポリフォニックキープレッシャーを利用するくらいしかないかもしれません。マスターチューン以外に、チューンの規格が拡張されているかもしれませんので、存在したらスミマセン)、音源の機能として製品が備えている場合には、同じ演奏データで12平均律以外の純正律での演奏などを聞くことができます。
今回は、オクターブと周波数についてでした。あまり、音圧分布測定の話題になっていませんね(^^;。次回は、オクターブバンドを踏まえて音圧レベルの測定に進みたいと思います。
音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンドコラムのページに編集して掲載しました。
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.41〜50
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