このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
記録型DVDのメディア対応なども峠を超え、DVDのメディアの趨勢も見えてきたところで、次世代のメディアに関するニュースも増えて来ました。 次世代メディアでも、1本化とはならず、Bru-rayとHD DVDの2つの規格グループが覇権を争う(2004年8月掲載時)という構図になっているのはご存知の通りです。
次世代メディアと目されているBru-Ray DiskとHD DVDの規格関連のプレーヤーの主役の1社に今回はマイクロソフト社が名前を連ねている点が従来とは一味違うというところでしょうか。
もはや、PCとOSは従来のように「記録メディアに対応する」「再生を可能にする」あるいは、「より家電に近づいたAV PC」というような位置ではなく、完全にCE(コンシューマ エレクトロニクス)製品として、しかも、PCは両陣営に対応するという家電メーカーとは少し異なる位置にいますから注目度も高くなります。
▼次世代DVD競争――漁夫の利を狙うマイクロソフト?
ITmedhia ライフスタイル -コラム 2004/07/29
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0407/29/news023.html
▼Blu-ray DiscのファイルシステムはUDFへ。“殻なし”のベアメディアも登場
ITmedhia ライフスタイル -ニュース 2004/08/04
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0408/04/news018.html
▼東芝・NEC、HD DVDのロードマップを説明――
DVDメディアとの兼用生産プロセスは稼動段階に
ITmedhia ライフスタイル -ニュース 2004/07/27
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0407/27/news014.html
さて、次世代メディアは当然、大容量化と高品位、コピープロテクトなどCD/DVD以上に優れたものとする必要があることは言うまでもありませんが、大容量化することや記録方式が高精度化することによって、その製造コストや製法などの問題や、収められるコンテンツの内容、利用者への普及などハードウェア的な面だけでなく多方面で課題も生じます。
スペック的に優れた規格、製品がかならずしも市場の要望に適合しているとは限らず、既に普及している規格がそのまま主流でありつづける可能性すらあります。
できるだけ新しいメディアの魅力によって迅速に広く普及するものとするためには、マーケティング面での戦略が重要なポイントとなることは想像に難くありません。
▼Blu-ray Disc、普及のカギを握るのはインタラクティブコンテンツ
CNET Japan ニュース - パーソナルテクノロジ 2004/8/18
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20070543,00.htm
インタラクティブなメディアとして、映像コンテンツ配布ディスクに記録領域を持ち、ユーザーとコンテンツホルダーが記録機能を活用するというメディアの利用方法が提案されています。
Bru-rayは、いままでのディスク・メディアと異なり記録型が先行して市場投入されています。 従来メディアでは、再生メディアが先行し、後に記録型が続くという順序でしたが、Bru-rayは逆に記録メディアとレコーダーが先行しています。
いろいろな要因があるのでしょうが、記録型先行なのは、DVD録画との差別化などの理由以外に、上のニュースにあるような記録型を主とした利用方法によって、次世代メディアは記録型がコンテンツ市場でも中心になるという考えも一因なのかもしれません。
先のITmedhiaの記事中でも言われていますが、一般にBlu-Ray Diskは記録、HD DVDは配布メディアに適するとされていますが、もしも、ユーザーの記録機能を生かすという方法が主となると配布メディアと記録メディアは普及期最終段階では収斂されることになりそうです。
▼片面がCD、もう片面がDVD――「DualDisc」の抱える課題
ITmedia ライフスタイル -ニュース 2004/8/9
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0408/09/news003.html
こちらは、新媒体というわけではなく、DualDiskというCD/DVDを1枚に収録するディスクのニュースです。米国などで店頭試験販売されているらしいですが、ライセンス問題から製造するのが困難になっているというニュースです。
CD/DVDの2枚同梱商品というものはヒット商品もあり音楽メディアのセル形態として認知されていますが、DualDiscは日本では販売されていません。
公式サイト http://www.dualdisk.com (URLは、discではなくでdiskのようです)も"Comming Soon"と記載されているだけですし、情報もあまり見かけません。 ソニーは海外でDualDiscのソフトを試験販売しています。
国内でも販売されるのか、本格的に製品に利用されるのかなどは情報がありませんが、国内で販売される場合にはSACDハイブリッドと両面にしてCD+SACD+DVDというハイブリットの塊のような商品になるのかもしれません。
DVD面をDVD-AudioにするとCD/SACD/DVD-Audioの3ハイブリッドとなって、オーディオ最強ハイブリット製品になりますが……さすがにDVD-Audioまでは無いでしょうね。
次世代メディアは、既存のディスクと互換性があるわけではありませんが、時間の問題で全メディア対応プレーヤー/レコーダーによって、互換問題は解決すると考えられていることでしょう。
DualDiskのハイブリット化は、CDとSACDのハイブリッド化とは異なり、互換問題に端を発するものではないでしょうから、需要が強いものなのかも疑問は残ります。 プレーヤーがCD/DVDに対応できる中、メディアのハイブリッド化はどのように市場が反応するのかは興味深いところです。
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。
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