単位周波数帯域(1Hz)に含まれる成分の強さが周波数に無関係に一定の雑音をホワイトノイズといいます。 周波数を横軸にエネルギーを縦軸にとってホワイトノイズをグラフ化すると、フラットなグラフになります。
ピンクノイズとはホワイトノイズに-3dB/oct の低域通過フィルタを通したもので、周波数を横軸にエネルギーを縦軸にとってピンクノイズをグラフ化すると、ピンクノイズは高い周波数帯域に行くにつれて右下がりのグラフになります。
ですから、ピンクノイズをオクターブバンドパスフィルターで測定すると、どのオクターブでみてもエネルギーが均一でフラット(平坦)な特性になります。
どのオクターブの帯域でみても音の大きさが同じ音であるため音響調整や測定ではピンクノイズがよく使用されます。 ホワイトノイズをオクターブバンドパスフィルターで測定した場合には、オクターブバンドの中心周波数が高くなるにつれて右上がりの特性になります。
M系列は、ホワイトノイズ(白色雑音)とみなせるような擬似雑音の発生技法です。ディジタル化した場合にローコストに生成できるため、DSPを使用したディジタル機器のノイズなどで多く利用されています。
M系列を自己相関関数で検出することでパルスの代用として測定する方法などが考案されています。比較的周期の長い乱数の計算手法の1つです。
情報処理分野では、他にも、質のよい(無周期に近いほど長い周期の)乱数生成方法も提案されています。ディジタルの世界では、本当の意味での無周期に近い乱数を計算で作ることは重要な技術となります。
ピンクノイズは-3dB/octのLPFに白色雑音を通すだけで作ることができますが、 IIRデジタルフィルタは、2の指数とは相性が良く-6dB/oct、-12dB/octは二次簡単に作ることができても、 特性の良い-3dB/octのLPFの特性を近似するのは簡易ではありません。
ホワイトノイズと異なりピンクノイズを利用する場合には、測定などやや特性の品質が求められる用途である可能性が高いので、 M系列ノイズなどで軽度なアルゴリズムでノイズを作り出しても、-3dB/octのLPFは必要な特性となるようフィルタを設計する必要があります。
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