このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
先月(2004年11月掲載時)「コーデックキラー」という言葉をはじめて知りました。
音楽をエンコードした時、何らかの音声品質が劣る部分が出来てしまうタイプの音源のことをコーデックキラーと呼ぶようです。
▼オンライン音楽サービスの前に立ちはだかる「コーデックキラー」問題
CNet Japan News ネットとメディア 2004/10/25
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20075354,00.htm
コーデック(CODEC)というのは圧縮/復元(COmpress/DECompress)するものやコード変換/復元(COrder/DEcorder)するソフトウェアや装置のことです...
関東甲信越、静岡県の1都10県のエリアの陸上自衛隊、東部方面隊のイベントで本物の大砲を使ったコンサートが開催されます(2004年10月掲載時)。
チャイコフスキーの序曲「1812年」(変ホ短調 作品49)はフランスナポレオンのロシア遠征〜ロシアの勝利を題材にした曲です。ロシア軍の砲撃によって勝利するという盛り上がり部分で大砲パートがあることは有名です。
通常、コンサートホールで大砲を打つわけには行きませんから大太鼓やシンセサイザーなどで代用したりCDなどで効果音としてミックスしてあるわけですが……
自衛隊のホームページでは「屋外で実際の大砲(105mm榴弾砲4門)を使って演奏をいたします。 どうぞ皆様も生で、迫力ある大砲と吹奏楽の響きをご堪能下さい。」と案内されています...
ヤマハからデジタル・サウンド・プロジェクタという40個のスピーカアレイで仮想音源を作るホームシアター向けの製品が発売されます(2004年11月掲載時)。
▼ヤマハ、壁や天井に音を反射させる5.1chシステム
−音波のビームを放出し、1筐体で5.1chを実現
インプレス AVウォッチ 2004年11月16日
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041116/yamaha.htm
以前から、仮想音源(バーチャルサラウンド)を作るタイプのコンシューマ製品はありますが、スピーカ・アレイを使ったものは記憶にありません(トールボーイのスピーカの多いものとは性質が違いますし、他者のスピーカ・アレイ製品は家庭用製品ではなかったと思います)。
3つのプリセットモードで動くとのことですが、40個のスピーカをもう少し自由に制御できるような製品だったらユニークに音像を作って楽しむということもできて面白いかもしれません(ゲームなどで使えるようにしてあげると嬉しい人もいるでしょう)...
デジタルアンプとデジタルスピーカについての話題を続けます。
これまでデジタルアンプの特徴として次のような特徴について述べました。これらの特徴から、さらに「省スペースで小型化できる」という利点も生じます。
デジタル・オーディオという言葉が使われるようになって久しいわけですが...
デジタルアンプとデジタルスピーカについての話題を続けます。 前回は伝送系と構成についての特徴でした。今回は、最初にも大きな特徴の1つとして挙げました効率についてです。
電力効率の良いアナログのB級アンプの出力段は±半波に対応するアンプを2つ組み合わせて全波の信号の増幅を行っています。
プラス側はゼロからプラス最大値まで、マイナス側はゼロからマイナス最大値までの信号を分担して増幅出力したものを合わせてプラス、マイナスの信号にします。
プラスとマイナスの出力が合成される部分はクロスオーバーと呼ばれます...
前回はディジタルアンプの特徴としてアナログのアンプより構成がシンプルなことについてでした。
【デジタル・アンプ】
┏━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓
─→┃DSP┃─→┃ アンプ(D/A)┃─→ スピーカ
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【アナログ・アンプ】
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─→┃DSP┃─→┃D/A┃→┃アンプ┃─→ スピーカ
┗━━━┛ ┗━━━┛ ┗━━━┛
最終的に入力信号がアナログ信号で増幅されて出力されるのですから必ず、アナログ信号が増幅されるパワー出力部が存在しているはずでパワー出力のみを考えれば、アナログ方式の方がシンプルであるはずだと直感的に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のAVセンターは、サラウンドなどのDSP処理を伴いますから、内部ではディジタル信号に変換される部分を伴います...
以前にこのコラムでソニーのデジタルAVアンプTA-DA9000ESの記事をご紹介したことがありますが、11月(2004年9月掲載時)に下位モデルのTA-DA7000ESが発売されます。
▼スペックアップとコストダウンを両立した中級機
〜ソニー「TA-DA7000ES」
IT media ライフスタイル ニュース 2004.09.07
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0409/07/news004.html
前回のTA-DA9000ESは金井氏の担当でAV雑誌などでも多数、取り上げられ、オーディオ雑誌のベストバイなども総なめにした感がある製品ですが、今度のTA-DA7000ESでは9000ESの時に採用されたアルミ削りだしなどの高価な部分はコストダウンによる違いが生じるだろうことは当然予想できますが、記事によるとデジタルアンプ部のS-Master Proはスペックアップしている部分もあるようです...
今月(2004年9月掲載時)のEDN Japanのdesign featureは「D級アンプが第3世代に突入」という記事でした(EDNは電子産業エンジニア向けの雑誌です)。 EDNの記事は開発者が対象なので、半導体やモジュールなどについての記事です。
▼EDN Japan 最新号(2004年9月号)目次
「D級アンプが第3世代に突入」のリンク先掲載されています。
http://www.ednjapan.com/content/issue/index.html
一般向けには、あまりD級アンプという呼称を使わなくなりつつあるように思います。A級、B級、AB級に対してD級というと品質ランクで相当劣るクラスのように誤解されるからでしょう...
記録型DVDのメディア対応なども峠を超え、DVDのメディアの趨勢も見えてきたところで、次世代のメディアに関するニュースも増えて来ました。 次世代メディアでも、1本化とはならず、Bru-rayとHD DVDの2つの規格グループが覇権を争う(2004年8月掲載時)という構図になっているのはご存知の通りです。
次世代メディアと目されているBru-Ray DiskとHD DVDの規格関連のプレーヤーの主役の1社に今回はマイクロソフト社が名前を連ねている点が従来とは一味違うというところでしょうか...
Iosono(アイオソノ)というスピーカ・アレイを使った3D音響システムの記事がHotwired Japanに掲載されていました。 『MP3生みの親が作り出した新しい3D音響システム』というタイトルの引きはうまいですね。
▼『MP3生みの親が作り出した新しい3D音響システム』
Hotwired Japan テクノロジ News 2004年7月29日
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040729301.html
アイオソノの記事を見ると多数のスピーカ(300本)を使って仮想音源の位置をシミュレーションする技術のひとつで、技術的に新規性があるというものではないようです。 新規性があるとするとタブレットとMP4音源、PCを使って音源のコントロール(定位)をしているところかもしれません...
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.41〜503D音響システムとスピーカ・アレイ Iosonoとサラウンド / プレーヤーとメディアのハイブリッド化(BD,HD DVD,DualDisk) / デジタルアンプとデジタルスピーカ(D級アンプと消費電力, 特徴-シンプルな構成- パワーアンプと伝送 -効率,発熱,クロスオーバー,デジタルスピーカの特徴) / 自衛隊の大砲を使ったコンサート / コーデックキラー(音声圧縮エンコードとノイズ) |
サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40InterBEE2003とHD放送(SD,HD,テレビ解像度) / 闇と静寂 / 騒音性難聴の防止薬品 / チェンバロにタンチョウヅルの羽根 / 海の音響技術(低周波ソナー LFAS, SOFAR, SOSUS, 音響トモグラフィー, 深層海流の温度計測) / 開発者の音作りと発想(デジタルの音作りと哲学) / 音効とCGスペクタクル映画(映画の音響効果とリアリティ) |
サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.21〜30音響冷却方式と水冷式 / 魔法の杖と音声認識の確率(自動音場調整AVアンプのレビュー) / 過去と周期と予想 / 音の記憶 / 録音テープの「肉声」 / 米国のCD市場の変化とCCCD / 音質?デザイン? / 機械の音のリアクション / 3D音響のトラッキング付き配信(ヘッドホンの立体音響, ヘッドトラッキング) / 地上デジタルTV 開始とInter BEE |
サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.11〜20CDを再生できないCDプレーヤー CCCD(Copy Control CD) / 音質は確実に落ちている? / 手軽に音響測定 / アカデミー音響賞、音響効果賞 / デジタルTVの双方向性 / テクノロジーと本質の視点( デジタル・オーディオは高音質か? ) / PCMはCDと同じ? / デジタルアンプの時代( デジタルアンプのコンシューマ化 ) / オーディオ機器への音楽配信 / 家庭の音場補正 |
サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.01〜10デジタルオーディオと記録 DVD製造者認識コード(Disc ID) / CD誤り訂正と音質、ピット、誤り訂正 / CDリッピングで音質向上? / パソコンのサウンド機能 / 人間の耳−最も優れた音のセンサー(精密測定用マイク, カクテルパーティー効果) / パソコンの静音設計とノイズ / ホームAVサーバー / TV放送の音声と帯域 / パソコンVS家電 - データ交換 / DVDの評価表現「劇場上映時と」 |
音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。
サウンドコラム 音響測定編 音圧分布音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ |
サウンドコラム 音響測定編 周波数特性周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生 |