音の基本的な用語の概略、音速、音圧(SPL)、db/デシベル、可聴帯域、最大、最小可聴レベルなど
音速とは音が伝播する速度です。音は温度、気圧によって速度が変化し、音速は次の式で秒速計算できます。
C = 331.5 √( 1 + t / 273 ) ≒ 331.5 + 0.6 t [m/s]
音の速度として概算に用いられる340.5[m/s]は、15℃のときの空気中の音速です。 水中の場合など伝播する物体によって音速は変化します。
「音」は空気中を伝たわる疎密の波です。疎密の波の圧力変化の大きさを表したものが「音圧/SPL(Sound Pressure Level)」です。
圧力の単位はPa(パスカル)またはμbar(マイクロバール)です。「音圧レベル」とは測定点の音圧の基準値に対する比を対数(log)で表したもので、単位はdB(デシベル)となります。
人間の聴覚は、物理的な刺激が2倍、4倍、8倍…というように倍増すると、等間隔(リニア)で音の感覚が大きくなったように感じるという指数的な特性があります。
「感覚が物理量に比例する対数的性質を持っている」
(Wever-Fechnerの法則)
この人間の聴覚上の尺度として対数比を取る単位がデシベル/dBという単位です。 デシベルには、基準や対数の取り方によって複数の単位があり、 dBV、dBv、dBm、dBm0、dBPa など目的によって利用する単位が異なります。
可聴帯域とは人間の耳に聞き取れる音の周波数帯のことで、通常20Hz〜20000Hz(20KHz)の周波数帯域とされています。
可聴帯域の周波数帯域には周波数によって音量に対する感度が異なり、各周波数の最大、最小の音量には差があります。 最大の音量を最大可聴レベル、小さい音を最小可聴レベルといい、周波数ごとの特性が知られています。
周波数とは、空気振動(水中の場合は水の振動)が、 1秒間に繰り返される振動数です ( 1秒を単位とするのはHz/ヘルツの場合 ) 。 周波数の単位は、1秒間を基準としたHz/ヘルツが用いられます。 KHz(キロヘルツ)という1000Hzを1KHzとする単位も同時に利用されます。
音の高低は、周波数の高低、振動の早い、遅いを感じています。 人の聴覚は、音量と同様、音の高さにも指数的な感覚を持っているため、 周波数特性の分析や測定では、500Hz、1KHz、2KHz、4KHzのように 倍、半分の関係に当たる周波数を基準にして聴覚との関係が解りやすくなるように扱われます。
音楽では、周波数の高低を音程と呼び、オクターブは、周波数が倍、半分になる周波数の関係になっています。 12平均率の場合には半音(#や♭)が1/12オクターブ(対数です)になります。 半音を1/100にしたセントという単位も楽器などでは利用されます。
音響機器や、規格、音響測定では、1オクターブバンド、1/2バンド、1/3バンドがよく用いられます。
周波数分析は、音波に含まれる周波数帯域ごとのレベルを分析する手法です。
音響分野では、周波数が2倍、1/2となるオクターブを基準にすることが多く、 1オクターブバンドの場合、中心周波数としては、63,125,250,500,1000,2000,4000,8000Hzで解析します。 1オクターブ、1/2オクターブ、1/3オクターブなど利用する帯域は様々ですが、 通信や音響の規格の特性は1例えば、1/3オクターブバンドの特性などで指定されることが一般的です(周波数特性の規定がある場合)。
帯域をもっと細かく、連続的な特性グラフのようにして分析する方法もポピュラーな周波数特性グラフです。
スペクトルアナライザー(周波数スペクトル分析器)とは、音を特定の周波数で分割し、分割帯域ごとのエネルギーを分析する測定機器です。 短縮して「スペアナ」と呼ばれることもあります。
細かな帯域で分析した連続の折れ線グラフが用いられる場合とバーグラフが用いられる場合があります。 バーグラフの場合、音響分野では、1/3オクターブの帯域分割などが規格などでもよく利用されます。
受音点から等距離にあるA,B2つのスピーカから同じ音を出力している場合、Aのスピーカの電気信号段にディレイをかけると、人間はBの方向から聞こえているように認識します(実際は遅れて聞こえるだけで、A,B双方のスピーカから音は届いているので、Bのスピーカのみで受音している場合より音の強さは強くなっています)。
同様に等距離にあるA,B2つのスピーカから同じ音を出力している場合、Aのスピーカのレベルを上げると人間はAの方向から聞こえているように認識します。
この人間の聴覚の特性を利用して音に方向感を持たせることをハース効果といいます。
文中では、メインスピーカとサブスピーカの音をディレイで揃えることによって音のレベルの大きいほうに音が定位することになりますから、メインスピーカとサブスピーカの音量の調整も必要になってきます。
音声の周波数成分の内、特定の周波数が音響設備によって増幅され続け、巨大な音がスピーカより出力されることをいいます。
マイクから集音した音声信号が音響設備に入力され、スピーカから拡声された場合、一度拡声された音声が再びマイクにより集音され、マイク→アンプ→スピーカ→マイク→アンプ→・・・というループが構成されます。
このループがハウリングの原因です。
ハウリングを起し難い環境を得るには、スピーカーやマイクロホンの設置場所や指向性の検討が大変重要です。
NC値とNC曲線については別のページに移動しました。 お手数ですが、「NC値とNC曲線」のページをご覧ください。
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