このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
音の専門の方でなくても、音を測るセンサーがマイクロホンであるということは皆さんご存知だと思います(正確にはトランスデューサー、変換器ですが...大目に見てください)。
かつては、放送を必要とする特定の職業の方以外はそれほどマイクに接する機会がなかったのでしょうが、現代では、電話機のマイクやカラオケなどの普及によって多くの人が日常的にマイクに接するようになりました。
携帯電話とカラオケのマイクが大きく異なるように、一口にマイクロホンといっても、用途によって様々な種類があり、中には小さな先端部分だけで10万円以上もする精密測定用のものもあります。
そして、どんなに高価なマイクロホンよりも優れたセンサーであるのが、私たち人間の耳なのです。
音を電気信号に変換するのがマイクロホンですが、その変換方式には幾つかの種類があり、プロ用としは主にダイナミック型とコンデンサ型の2種類が使われています。
精密測定用はコンデンサ型のマイクロホンが主体で、かつては口径1インチのものが代表的でした。現在では可聴帯域を広くカバーしている1/2インチタイプが主に使われており、他に、高音域用の1/4インチ、1/8インチタイプや、狭い空間に挿入できるプローブマイク、音源探査などが行えるインテンシティマイクというものがあります。
それぞれをご紹介すると長くなりますので、またの機会に...(^^)
この世の中にあるどんなマイクロホンよりも高性能であるといわれている人間の耳は、ジェット機やレーシングカーのような爆音から微かな物音まで、大小広範囲の音を聞き取ることができます。
さらに、意識を集中して狙いを定めることで、周囲の騒音がいくらうるさくても、自分が聞きたい音だけを聞き分けることさえもできます(これをカクテルパーティー効果といいます)。
複数の重なり合った音源の中から、特定の音源だけを選択的に抽出して聞くことができる、人間の聴覚の働きのこと。
話し声や音楽などが混じりあったパーティー会場の喧騒の中であっても、会話の相手の声を聞き取れることから名付けられています。
▼日本音響学会のホームページにある
「音のなんでもコーナー」でも、音に関するちょっとした話題を
扱っています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/asj/index.html
また、反対に聞きたくない音を排除することもできるので、騒音の中で眠ることも可能です(それでいて眠っている時でも、音で目がさめるようになっているという大変よくできた仕組みです)。
これと同じことを装置を使ってやろうとしても、マイクロホン自体には同様のマスキング機能を持たないため、一定方向からの音にだけ反応する「(超)指向性マイク」を使うか、フィルターをかけて余分な成分を除去しなければなりません。
それでも、人間の耳と同様の働きはなかなか実現できないのです。
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。
サウンドコラム 音響測定編 音圧分布音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ |
サウンドコラム 音響測定編 周波数特性周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生 |