このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
DVD市場が活性化し、ホームシアターシステムの低価格化もあって、5.1chで低価格のホームシアターの普及が増進しています。
6.1chとなると、なにも、AVマニアのように最適化しようとしなくても、適度に調整するだけでも大変です。
プロジェクターとスクリーンを使うような規模の場合には、インストール(設置)業者が設置することになりますので、一環として音も調整するのでしょうが、低価格なAVアンプとディスプレイを組み合わせて利用する一般的なサラウンドシステムですと、自分で音場補正をしてサラウンド・チャンネル間のバランスなどを設定する必要があります。
サラウンドチャンネルとセンターL/Rのバランスが悪いと、音がパン移動されている場合などでスムーズに繋がって移動しなくなったり、極度にリア方向の音が強調されて、映像と音が分離して注意がそがれる場合もあります。
以前から、AVアンプには、補正機能が搭載されていますが、このところのAV新製品では音場補正機能にユニークな機能を搭載した製品を見かけるようになりました。
▼ビクター、手をたたくだけで音場設定できるAVアンプ
−デジタルアンプ「DEUS」を搭載
インプレ氏 AVウォッチ 2003年6月11日 ニュース
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030611/victor3.htm
▼驚異の音場補正機能「ADAPTiQ」を搭載 BOSE「LS-35」
インプレス AVウォッチ 2003年5月30日 新製品プレビュー
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030530/npp48.htm
BOSEの製品は、ヘッドセットのマイクでテストトーンを集音して分析補正する方式、ビクターの「スマート・サラウンド・セットアップ」は、聞きたい場所で手を叩いた音をスピーカで集音して自動調節する方式です(※ビクターの記事はレビュー記事ではありませんので、評価や補正の詳細までは判りません)。
ご存知のように、スピーカは、コイル型のマイクと同じ構造ですので入力用のトランスデューサーとして集音に利用することもできます。
ビクターのAVアンプ「RX-ES1」が行なっている技術は、スピーカをマイクにすることで、各チャンネル位置で集音した音を比較分析し、リスニング位置との距離、位置関係を計算して再生時の各スピーカの音量、ディレイタイムを調節するものです。特許出願中とのことです。
BOSEの「LS-35」は、比較的高価な製品になりますが、ビクターのRX-ES1は、¥56,000と高級クラスではありません。
ビクターのリリースに掲載されているブロック図によると、スピーカからの入力時は、CPUに接続された概念ブロックになっていますので、高度な信号入力を処理するのではなく、時間とある程度のレベルを検出するのだと思います。
AVアンプには、サラウンドやディスクの検出や制御などCPU、DSPを搭載しています。
ビクターの方式のようにマイクを必要としない方式ですと、製品にも採用しやすいため、音場補正のように設置時限りの機能でも販売効果があれば、同様の方式を採用した自動補正機能を搭載したAVアンプやホームシアターシステムが多くなるかもしれません。
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
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サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40InterBEE2003とHD放送(SD,HD,テレビ解像度) / 闇と静寂 / 騒音性難聴の防止薬品 / チェンバロにタンチョウヅルの羽根 / 海の音響技術(低周波ソナー LFAS, SOFAR, SOSUS, 音響トモグラフィー, 深層海流の温度計測) / 開発者の音作りと発想(デジタルの音作りと哲学) / 音効とCGスペクタクル映画(映画の音響効果とリアリティ) |
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音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。
サウンドコラム 音響測定編 音圧分布音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ |
サウンドコラム 音響測定編 周波数特性周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生 |