このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
前回、前々回は、CDの誤り訂正に関連してデジタルでは100%正しいデータが再生されても、プレイヤーのアナログ出力は、CDのマスタリングなどによって変化するというお話をしました。 前回、またの機会にといいながら、今回は、後編に書ききれなかったを番外編としてお届けします(^^;。
さて、前回までのお話で、誤り訂正機能が電源に変動を与えるため、誤り訂正が働くとアナログ出力の音質が低下するらしいということをお話しました。
CDリッピング(パソコンなどで、デジタル読み出しをしてCD-RなどでオリジナルCDを作成することです。あくまで個人利用の範囲のみ許される行為です)によって作成したCD-Rは、オリジナルのCDと音質が異なる可能性があることになります。
YAMAHAの高音質CD-Rドライブなどで、70分以上の長時間収録されているCDの1曲をリッピングしてCD-Rに作成すると、ドライブによっては、音質が向上する可能性があるかもしれません。
高音質記録モードでは、ピット長を長く書き込むことで、ジッタを低減し、再生プレイヤーを選ばず作成するCD-Rを高音質化すると説明されています。
▼YAMAHA Audio Master 高音質記録モード
http://www.yamaha.co.jp/product/computer/handbook/audiomaster01.html
有名な逸話なのでご存知の方が多いと思いますが、CDは開発当初60分の記録時間で規格化されようとしていました。
開発中に世界的な指揮者カラヤンの意見を訊いたところカラヤンは、ベートベンの第九番交響曲「合唱付き」が1枚のCDに収まるようにするためには、60分の収録時間ではなく、70分収録できなければいけないと意見したため、第九が1枚のCDに収められるように変更されました(第九はアナログLPでは2枚組でした)。
音楽家として偉大だったカラヤンは、民生オーディオの世界にも多大な影響を与えたことになります。
CDの収録時間を見ると、この逸話を思い出し、もし、カラヤンがムーディな演奏を好むウィーンフィルの主席指揮者でなく、ハイテンポでドライなオーケストラの指揮者だったら、収録時間を重視しなかったかもしれないと空想したことを思い出します。
長時間CDは、さらに、規格内で可能なギリギリのピット長に短くすることで、70分を超える長時間収録を可能としたものです。
▼1394は速いが高音質記録Audio Masterは疑問
CNET JAPAN:ハードウェアレビュー
YAMAHA CD-R/RW『CRW3200IX-VK』
http://japan.cnet.com/JustIn/jp_hard/020117/index.html
このようなレビュー記事もありますが、真相はいかに?
高音質モードでは、市販の長時間収録CDのような記録時間を書き込むことができません(最長68分)。線速度を上げてピット長を長くするためより多くの記録領域が必要となるからです。
YAMAHAの説明でも「原版並みに高音質」と記載されているように基本的は、CD-Rの技術ですが、ピット長に関して説明されている
この2点は通常のCDにも当てはまります。
万一、長時間CDと相性の悪いプレーヤーの場合、リッピングによって高音質化できる可能性があるように思えますが本当の所はどうなのでしょう?
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「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
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