このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
イラク問題などの報道で「フセイン元大統領の肉声と思われるテープ」などという表現を良く見かけます。
録音したテープの音は肉声か?という点が少し気になりますが、ニュースでは軒並み「肉声」とされているので「肉声」の定義は生の音に限らず「本人の音声」という意味に拡大されているのだと思います。
一般の認識ではどうかという参考までにGoogleで「肉声とは」と検索して見ると、「肉声とは異なる電話...」や「肉声とは異なる人工の音声」などという記載が目につきます。
▼Google(キーワード付きはアドレスが長いので、スミマセン)
http://www.google.co.jp/
この2つは、かなり異なる境界を「肉声」の境界としており、「電話」の境界の場合には、録音テープも含まれる分類になり、「人工の音声」の場合には、人が話した音声であればメディアや通信を媒介した音声でも「肉声」とみなされるという認識です。
三省堂提供「大辞林 第二版」をサービス提供しているGooの国語辞典で「肉声」を調べると「マイクなどを通さない、人間の口から出たそのままの音声。」となっており、本来の「肉声」の意味のみが記載されていますので、「録音テープの肉声」は新しい語義としての用法です。
▼goo 辞書 「肉声」
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%C6%F9%C0%BC&kind=&mode=0&jn.x=26&jn.y=3
先のフセイン元大統領の音声の場合には「本人の音声」という意味で「肉声」とされていますので、「肉声」の意味に「本人の音声」(マイクを通しても良い)という意味に拡大されています。
もっとも、「マイクを通さない」にこだわると、講演会やコンサートのPAを使った拡声音は「肉声」にはならなのですが、現在の感覚としては、マイクを通しても「肉声」とされるだろうことは間違いないかと思います(目前で本人が話している音声は)。
このコンサートなどのPAと同様の感覚としてTVの衛星中継で生で話している音声などが、やはり「肉声」という感覚に近いものがあるかと思います。
従来、電話は「肉声」とはされていないことが多かったように思いますが、音声合成やTV電話などの発達と普及によって、電話など本人が話している音声は「肉声」ということに語義が拡大されるのが一般的となるかもしれません。
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
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サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40InterBEE2003とHD放送(SD,HD,テレビ解像度) / 闇と静寂 / 騒音性難聴の防止薬品 / チェンバロにタンチョウヅルの羽根 / 海の音響技術(低周波ソナー LFAS, SOFAR, SOSUS, 音響トモグラフィー, 深層海流の温度計測) / 開発者の音作りと発想(デジタルの音作りと哲学) / 音効とCGスペクタクル映画(映画の音響効果とリアリティ) |
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音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。
サウンドコラム 音響測定編 音圧分布音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ |
サウンドコラム 音響測定編 周波数特性周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生 |