このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
魔法の杖...
「身体に触れるだけでガンを見つける魔法の杖」と題された、電磁波を利用した、簡単なスキャンによるガンの検査装置の米ニュースが掲載されています。
このニュースの検査装置は異常検出率が80〜90%程度ですので、そのまま実用というわけには行かないようです。
また、記事中にもあるように「絶対安全」もしくは「絶対異常」というのが確立しないと実用されないかもしれません。
アメリカは、日本に比較すると、いろいろな分野で新しい技術導入に関して柔軟ですから、もしかすると、トライされることはあるかもしれません(人命に関わるので、さずがに安易には考えないと思いますが、他の分野ではイージーに導入している傾向がありますから)。
▼身体に触れるだけでガンを見つける魔法の杖
Hot Wired Japan 2003年7月5日
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030709308.html
日本ですと、技術レベルが水準以上ではない場合、おおむね否定される傾向にありますが、アメリカの場合には、将来的に改善の見込みがありそうだとなれば、実用技術として採用するということが良くあります。
パソコンなどでの音声や動画配信など解り易い例かと思いますが、次々と採用された技術や実装は、音声が途切れたり、映像がノイズだらけでとても実用に耐えるものではない状態で製品として実装され、今でも、環境や通信が一定レベル以上なければ、実用には耐えないような状況です。
日本が主導的に行なっていたとしたら、十分な品質になるまで実用されず、発展するにはもっと時間がかかっただろうと思います。
魔法の杖では、検出制度によって否定的な意見に見える記事になっていますが、確率や統計の数字は紹介の仕方によって、かなり異なる印象を受け、良くも悪くも見えるので注意が必要です。
音声認識や文字認識などで「99%」などの数字を肯定的に紹介されると、非常に認識率が良く実用性が高いように感じますが、実際に99%ですと、この文章の数行の中に既に間違いがいくつも出現しているレベルです(これらの技術の認識率はもっと高いですが)。
例えば、10分間の音声の誤りの数を言われると悪く感じ、認識率を言われれば非常に優秀に見えます。
また、音声認識や文字認識の間違いの場合、1文字違えば大きく意味が異なる部分で間違う場合が問題で、文脈などから簡単に誤りが判別できる部分では文脈による補正も考えられますから、平均的な確率より、重要部分で誤る率とその内容が重要です。
魔法の杖の場合には、高い方の数字で93%という数字が記載されていますが、100件で誤りが7件、1万人で700人もの間違いが発生します。
低い方の数字82%だと、10人に1人以上検出ミスが発生することになります。
やはり、人命が関わるので「ワーストケース絶対」ということが重要です。
以前に話題にしました(家庭の音場補正・サウンドコラム 20)ビクターのAVアンプの製品プレビューが掲載されていました。
興味のある方はご覧になってみてください。
自動調整についての詳細記事ではありませんが、製品についてのレビュー記事が掲載されています。
以前にコラムで話題にしたビクターの手を叩く音で自動的に音場調整するAVアンプのプレビュー記事がインプレスAVウォッチに掲載されています。
記事によるとうまく機能しているようですが、テストケースは部屋が限定されていると思いますので、幅広く良好な状態となるのかまでは不明です。
しかしながら、スピーカ調整は、部屋の状態により、全チャンネルのバランスを調整することを考えると、記事にあるように手動よりうまく設定できる可能性は高いかと思います(技術があれば別ですが)。
「まとめ」の所によると、「次は静音化と6.1ch、7.1ch化に発展できる上級機も望みたい。」とあります。
▼インプレスAVウォッチ 新製品プレビュー第49回
「音場補正機能付きAVアンプと3万円台の108MHzプレーヤー」
ビクター 「XV-A77」「RX-ES1」
(機能の特集ではないので詳細に自動スピーカ調節機能について
触れられているわけではありませんが少し触れられています)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030710/npp49.htm
「静音化と...」というのが気になる所です(明記されるほど....ファン騒音などがあるのでしょうね)。
音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記
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