モノラル信号をデジタル信号処理によってバイノーラル化、三次元音響空間を作り出す技術です。
音源から両耳に到達する音は、音源の方向や距離によって左右の耳の間の到達時間や音量が異なり、 この差から人間は音の方向を判断しています。この左右の差をモノラル信号に付加すれば、 バイノーラル化することができます。
音源と耳との間の特性は頭部伝達関数(Head Related Transfer Function:HRTFと略します)と呼ばれ、 インパルス応答測定やコンピュータ解析によってデジタルフィルタの特性として求めることが可能です。
色々な方向のHRTFをデータベースとして用意し、モノラル信号と畳み込み演算することによりバイノーラル信号に変換することができます。
バイノーラル化した信号の聴取はヘッドホンで行いますが、クロストークをキャンセルして スピーカを用いて再生する方法もあります。
試聴位置に合わせてクロストークキャンセルを行うため、スピーカーで再生する方式の場合には試聴位置によって効果が異なり、 適した試聴位置とは異なるリスニングポジションではクロストークキャンセルの処理による付加音が不要な信号となる場合があります。
また、キャンセル信号を付加しているため、音源自体を加工している場合には、ヘッドホン再生に適さない音源となります。 そのため、クロストークキャンセルによるスピーカー再生の場合には、再生装置で信号処理を行う方法が必要です。
映画館やDVD、Blu-ray Discの音声フォーマットであるサラウンドも2チャンネルステレオ以上の立体音響を実現する技術です。
現状のサラウンドシステムは水平面にスピーカを配置していますが、上下にもスピーカを配置して 3次元の音響空間表現を可能とするマルチチャンネルシステムの研究開発も行われています。
スピーカの多チャンネル化は、家庭で楽しむには部屋の広さや設置場所の問題から実現が難しい場合も少なくありません。
スピーカ設置の難しさを解決する方法としてバーチャルサラウンド技術があります。
バーチャルサラウンドはサラウンドスピーカを音像定位技術により仮想音源として定位させています。 仮想音源は水平面に限らずに立体的に配置することが出来ますので、3次元空間を表現する マルチチャンネルシステムをバーチャル化することも可能です。
音場解析・シミュレーション音場解析は、音場のインパルス応答測定による解析、コンピュータによる音場シミュレーションによる解析等の手法を用います。 |
バイノーラル録音・再生技術コンサートホールや劇場などの音場、音響空間を別の再生場所で再現する手法にバイノーラル録音・再生技術があります。 |
立体音響技術(音像定位技術)モノラル信号をデジタル信号処理によってバイノーラル化、三次元音響空間を作り出す技術です。 |
適応制御、適応フィルタの応用適応フィルタは、フィルタの出力を目標とする信号に近づけていくようにフィルタ係数を自己調整する機能を持ったデジタルフィルタです。 エコーキャンセル/ハウリング抑制 アクティブノイズキャンセル(ANC) |
高速同定による適応制御高速H∞フィルタを利用した高速同定と高性能な適応制御、適応フィルタと応用 エコーキャンセラ、ノイズキャンセラ ハウリングサプレッサなど |
組込みシステム開発技術展 エコーキャンセラー付き音声認識第12回 組込みシステム開発技術展において |
エーアールアイは、音場解析・シミュレーションソフトウェア、適応制御によるエコーキャンセラ、 ノイズキャンセルマイク等のハードウェア製品やソフトウェアの開発を行っています。 ARI製品については「製品情報」、実績については「開発実績」に掲載しておりますのでご覧下さい。