仕様を満たすために必要な機器の選択を行います。
機器の使用頻度、重要度を推測・検討し選択します。ホールなどでは、開催予定の催し物を明確にすると便利です。機器の使用目的がはっきりするからです。
機器の選択が確定したら機器構成表を作成します。
機器構成表とは、機器名称、型番、台数を簡潔にまとめた表を指します。機器の台数は後述(1.4.3)のシステムブロックの検討を行い決定し記入します。
年に数回の使用しか想定できない機器に予算を多く取ることは、コストパフォーマンスに優れているとはいえません。
しかし、コストパフォーマンスが悪いと思われる機器でも重要度が高いために、納入する意味のある場合もあります。 使用頻度が少なくてもその機器でしか実現ができない場合です。
コストパフォーマンスを意識しつつ、機器の使用する重要度も十分検討する必要があるのです。
構成機器検討後に機器単体での仕様書を作成し、そろえる必要があります。
機器仕様書とは、機器外形寸法図(上面図、正面図、背面図、側面図 など)と機器の仕様が記載されている資料です。
CAD等で外形寸法図を作成します。
正面図は、後に機器の操作を検討する場合もあるため、できるだけ詳細に描きます。
さらに、機器の選定作業中に調べた、機器単体の仕様を簡単な表にまとめて掲載します。
メーカーによっては機器単体の機器仕様書を用意している場合もあります。
市販されている音響機器は、大別すると民生機と業務機に分けることができます。
民生機は、家庭での使用を目的に製造されている機器であり、業務機は、放送局やライブハウスなどでの使用を目的に製造されている機器です。 大きな相違点は、前者がデザインや機能を優先して開発されているのに対し、後者は信頼度や基本性能などが優先して開発されている傾向にあります。
その他の一般的な相違点としては、次の項目が挙げられます。
民生機と比べて業務機器は、連続で長時間動作をさせる前提で設計されていますので、動作の耐久時間や機器の寿命が長く、信頼性は高い傾向にあります。
民生機と比べて業務機器は、機能が特化する(専用機になる)傾向にあり、基本性能の面で強化されている傾向があります。
業務機は民生機と比べて定価が高い傾向にあります。
頻繁にモデルチェンジを行う民生機に対して、業務機は頻度が少ないので、メンテナンス用の部品のメーカ在庫年数が長い傾向にあります。
大型物件での機器仕様書は、上記の機器仕様書とは異なり、機器の型番は伏せてあります。 その基本設計図をもとに入札をし、実施する業者(メーカー など)を選ぶという背景があるからです。
機器の型番は想定しますが、その機器を使用することを強制はせず、機能的に見合うものであれば良いという考え方です。
大型の物件などでは、ゼネコンや建築設計事務所が原設計図(基本設計図)の作成を電気音響設備設計業者 または、メーカーに依頼し、それをもとに様々な電気音響設備設計業者や電気音響メーカーに実施設計をさせて、合い見積りを取り、発注先を決定する「入札制度」があります。
ですから、上記の場合の原設計図では設備の要件、仕様、機器の性能のみが指定されていて機器のメーカーや型番などは伏せて記載してあります。
実施設計段階では、各業者やメーカーがそれぞれ独自のラインナップにある機器を想定して実施設計を行い、合い見積りをすることになります。
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東京技術センター(八王子)の無響室は、簡易型ですが、 音響機器開発時に技術部内で音響試験、測定や、お客様のご依頼による音響測定のお手伝いなども可能です。 小型の無響箱や測定箱などでは測定できない大きさの機器でも測定でき、 ダミーヘッドを利用した実験などにも利用しています。 |