フレキシビリティでは、ソフトウェア・プログラマブルな性質を述べましたが、ハードウェア的な可変性についても、DSPユニットは幅広い可変性を提供しています。
入出力チャンネル(I/O)や、結線(経路)、ハードウェア資源は、放送設備導入時にその拡張性まで含めて検討しなければならない重要な要素です。 通常は、最大の拡張性と設備の予算や規模(機械室、放送室の広さも含めて)とを考慮して、これらのハードウェア的な最大能力をあらかじめ決定します。
可変型DSPユニットは、極小規模な設備から大規模な放送設備での利用を他の音響機器と組み合わせながら可能にするためのバリエーションとスケール的なフレキシビリティをもっています。 このフレキシビリティが、放送設備のハードウェア的な最大能力を導入時に固定するのではなく、ある程度、小規模な変更(入出力ボードの追加など)によって、ハードウェア能力の拡張を可能にします。
サンプリング周波数変換や同期によってアナログを介さずに直接デジタル入出力を行うためのボード
ここでいうDSPユニットの拡張は、全て専用のディジタル接続によって、密に結合された状態をいいいます。 内部接続されたかのような拡張の方法ですから、単純に内部リソースが増加されたかのようなハードウェア拡張が行えます。
可変型DSPユニットの拡張性とは、
などが上げられます。この拡張性は、製品によって相当な違いがありますので、機器の選択におけるキーポイントともなります。
入出力は各最大128ch、AD/DA/DDボードが用意されており、8ch単位での増減、変更が可能です。 DSPユニットは、1〜最大8台までを1システムとすることが可能で、最大使用時には、32chのマトリックス・ミキサーが256個(仮想的なミキサーは768)ものリソースを組み合わせて使用することができます。
これは単なる設計上の最大スペックではなく、現実の商用スペースでシステムが可動していますから、スケーラビリティにおいて心配は要りません。 さらに付け加えると、この最大スペックは、1台の音響機器としてのもので、複数の機器を連動させて利用するような一般的な方法では際限がありません。
入出力などは、最近のディジタル・ミキサーなどと同様、拡張ボードで実現されることが多く、周辺の音響機器のリプレースに合わせて、入出力を順次ディジタル化するなど、ハードウェアの可変性、拡張性は、設備のイニシャルコストを予算に合わせて計画できるようにもなります。
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東京技術センター(八王子)の無響室は、簡易型ですが、 音響機器開発時に技術部内で音響試験、測定や、お客様のご依頼による音響測定のお手伝いなども可能です。 小型の無響箱や測定箱などでは測定できない大きさの機器でも測定でき、 ダミーヘッドを利用した実験などにも利用しています。 |