このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.36〜vol.64(2003年8/21〜2004年11/18)に音響と開発の関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
毎年実施されているNHK技術研究所の一般公開が5月27日〜30日(2004年6月掲載時)に行われました。
▼NHK技術研究所
http://www.nhk.or.jp/strl/
平成16年度「技研一般公開」展示内容
http://www.nhk.or.jp/strl/open2004/tenji/index.html
技研公開は、実際に見たり聞いたりすることができるコーナーが用意されていて一般の方でも十分に楽しめる内容になっている良質な技術展示ブースがあます。 東京の技研で公開されているものなので、地方の方が見学に出かけるというわけには行かないところが残念ですが、簡単な概要はホームページでも見ることができます。
▼インプレスのレポート
−3次元音響シミュレータやHD光ディスクカメラなど
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040527/nhk.htm
ミリ波を利用したハイビジョンカメラなど
−ハイビジョンを超える次世代放送サービスの研究も
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20040528/nhk.htm
“蓄積して好きなときに視聴する”サーバー型放送をデモ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2004/05/28/3280.html
“音のつながり”を重視し、滑らかに原稿を読み上げる音声合成技術
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2004/05/28/3283.html
「ネットワーク利用放送」で地方番組を東京でも見られる!?
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2004/05/28/3285.html
▼ITmedhia
それよりもっと未来を見つめて〜NHK技研公開2004 (3ページ)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0405/28/news007.html
昨年(2004年6月掲載時)、メールマガジンでも少し話題にしました「走査線4000本級超高精細映像システム」は、今年(2004年6月掲載時)も公開展示に含まれていました。
昨今(2004年5月掲載時)の検索関連ニュースではデスクトップのマイクロソフト対WEBのGoogleというような表現を見かけます。 当のGoogleはPC内のローカルファイルも対象とした検索ツールのサービスを計画しているようです。
▼Google、PC内のデータを検索するツール立ち上げへ
ITmedhiaニュース 2004年5月19日
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/19/news051.html
米Yahoo!の独自検索技術への切替やMicrosoft社の検索技術開発と次期OS Longhornに搭載予定のWinFSという検索機能など膨大に蓄積されたデータに対する高速で適切な検索機能は注目度が高くなっています。
WEB検索においては、今の所、後発のGoogleが大成功を勝ち取り、特に日本においては、大手ポータルサイトに多く採用されていることもあってGoogleの検索シェアは非常に高くなっています。
前回は、専門性による分業やその境界線というあたりに関して、最も典型的な水平分業モデル、垂直分業モデルというような視点で考えてみました。
全体の技術の情報化、高度化が進むに従って各専門範囲が拡大される傾向があり、ソフトウェアについては、水平とも垂直とも言えないような分業モデルや産業的な構造となっているような気がします。
身近なところで、もう少し具体的に考えてみます。
例えば、OSの専門範囲、分業構造とはどのようになっているかと考えてみますと、エンドユーザーにアピールできるようにするためのマルチメディア系のプレーヤー機能をOSの標準機能の一部となっていたり、各種のドライバはGUIの設定や付加機能を持つアプリケーション・レベルに匹敵するドライバとなっています。
マルチメディア系の記録や再生時の協調動作を整える役割はOSの役割ですが、実際に再生するためのプレーヤーはアプリケーションの1つのサンプルとなります。
CNET Japanの森祐治さんの先月(2004年2月掲載時)のブログに「統計ソフトよりも基礎分析力を習得しておこう」という題のコラムが掲載されていました。
▼「統計ソフトよりも基礎分析力を習得しておこう」
CNET Japan Blog 森祐治・情報経済ブログ 2004年01月29日
http://blog.japan.cnet.com/mori/archives/000973.html
このコラムでは統計の分析と統計ソフトの利用についてが主旨になっていますが、このような問題は技術的な側面を持つドメインでの共通の状況といえるような気がします。
コラムで述べられている問題は、統計分析を課題としている人(学生)が、分析内容を置き去りにして統計ソフトを利用して高度な手法による分析結果を得ていることが挙げられていますが、これは、例えば、ソフトウェアのライブラリの動作やアルゴリズムを正しく理解せずに、利用して高度な処理を実現しているプログラマというのも類似したことといえるかもしれません。
アルゴリズムの理解やコンピュータの動作原理などを深く理解せずに利用して結果のみを得るという実装の設計に問題があるという意見は古くから存在するものですが、現在のソフトウェアに求められる処理内容が高度で規模が大きくなってきているため、その傾向はより強くなっているといえます。
Intelの新CPU(2004年2月掲載時)コード名"Prescott"がリリースされました。 報道サイトでも随所で記事が掲載されていましたので、ご存知の方も多いと思います。
▼米インテル、90nmプロセス採用のHTテクノロジ搭載
Pentium 4-3.40EGHzなど6製品を発表
ASCII24 ニュース/テクノロジー/デバイス 2004年2月3日
http://ascii24.com/news/i/tech/article/2004/02/03/648038-000.html
▼インテル、新たに5種類のPentium 4をリリース
CNET Japn 2004年2月2日
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20064063,00.htm
Pentium 4として販売されますからPrescottなのか従来のPentium4なのかはパソコンのスペックなどでは解りにくいかもしれません(クロックの表記が異なります)。
同一のクロック速度のPentium 4として2種類のCPUが共存するため、搭載されるCPUがどちらかということを重視される場合には注意が必要です。
ホームページやメールマガジンなどでARIのことをご覧いただき、電話やメールで業務関連のお問い合わせをいただく機会があるのですが、多くの場合「そもそも関連業務が可能なのか」という内容のお問い合わせになる傾向があります(お手数を掛けていただき、お問い合わせくださいましてありがとうございます)。
これは、公開している実績や情報が少ないことに起因しているものと自覚していますが、公開可能な内容はNDAなどの業務上の秘守義務や契約にはなっていなくても自主的に公開しないようにしている部分などがあるため公開すべきではない内容も含まれているためです。
また、お問い合わせの内容も、NDAや信用が確立されていないため、話しても差しさわりの無い表現でのご質問などになります。
回答も、ご要望にお答えできるか安請け合いのような回答によって過大にご期待いただくことの無いようにと心がけると、何だか腹の探り合いをしているかのような状態になることもあります。
公開できていない実績や(非力なこともあり、日常業務をこなすだけで精一杯で)、公開できない内容もあり、十分な情報を掲載しているとは考えていませんが、専門性が高い技術分野は非常に世間が狭いので、断片的な内容であっても差しさわりが生じるためデリケートな部分でもあります。
ソフトウェアのバグやエラーをなくし品質を向上することは情報機器の多い現代では社会的にも重要な問題となっていますが、高度で複雑化が進むソフトウェアのエラーをなくすためのテストや開発にかかるコストが大きくなることも重要な問題です。
今回は、ソフトウェアのエラー、バグとコストの話題にしてみたいと思います。
ソフトウェアに関するエラーには、大きく分けて2種類があります。
1つは、ソフトウェアを実行する上でエラーとなって実行できなくなるタイプです。
身近なところでは、OSが検出してアプリケーションを停止するような「除算エラー」や「不正なメモリアクセス」などです。
▼e-Words IT用語辞典 : ゼロ除算【divide by zero】
http://e-words.jp/w/E382BCE383ADE999A4E7AE97.html
これらのエラーは、プログラムの不正な実行によって発生するCPUが正常範囲での継続処理が困難なためのエラーです。
9月30日に(2003年10月掲載時)、家庭向けエンターテイメント機能を強化したバージョンのOS、Wdinows XP Media Center Edition 2004が発表されました。
▼米Microsoft、Windows XP Media Center Edition 2004を発表
インプレス Internet Watch 2002年10月1日
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/01/606.html
Media Center PCは、TVの視聴や録画,写真,ビデオの編集、CD/DVDの再生などの家電系マルチメディア機能をより一般向けに充実させたバージョンで、専用のOSとしてデジタルPC家電として販売される機器にバンドリングされます。
メディア系の機能を実現する時、Windows XPには、多少、難点があります。
通常の機能では、CPUやバスのパワーなどで見かけ上、メディアPCが実現されて、リアルタイム性のある用途でも利用できるようになってはいますが、PCの限界の性能を生かしたリアルタイム処理に適した状態ではない部分があります。
「HDD容量が広告の表記より少ない」と米国ロサンゼルスでコンピュータメーカーに対して集団訴訟を起こした人がいるようです。
10の3乗と2の10乗は、1000と1024と近い数値なので、コンピュータ系のメモリなどのサイズを表現するのに、SI単位表記のK(キロ)やM(メガ)、G(ギガ)などの単位で表現されることはご存知かと思います。 同様にコンピュータのパーツのハードディスクは、単位系に等しく、 1MBは1,000,000バイトで扱われます。
ところが、WindowsやAppleのOSでは 2進数表記で扱うためOSのサイズとハードディスクのスペック・サイズが異なっているように見えます。
訴訟の容量違いは10進数表記の HDD150GB がOS上では2進数計算になり 140GB と少ないというものです。
まあ、わからなくて訴訟しているのではなく、金銭目当ての訴訟だと思いますが、陪審員制度のアメリカの訴訟なので、このような単純に見える問題もややこしいことになる場合もあるかもしれません。
この件は、コンピュータメーカー数社に対して「誇大広告」として訴訟していますが、単位系列を正しく表記しているHDD容量が悪いのか、類似した表現をしながらサイズが異なる単位をしている慣行がいけないのかという点で言えば、紛らわしい単位慣行を一般に対して提示していることの方がいけないのではないかと思いますが、訴訟で金銭を取るのに都合が良いストーリーとしてコンピュータメーカー側を相手にする必要があるのだろうと思います。
2003年8月14日の北米の大停電は、いまだに原因は噂の域を出ず、正式には原因不明とされています(2003年8月掲載時)。
以前に、メールマガジンのURLクリップなどで東京の電力危機のことなどにも触れていますが、今回は、この停電の事件に関連した話題にしたいと思います。
ARIは、電力会社でもアメリカの企業でもありませんので、技術といっても電力やアメリカの事情について語るつもりはありませんが、北米の停電の問題は、設備老朽化や、電力自由化などのアメリカの電力事情、人的課題以外に、電力以外の設備などにも通ずるような設計やメンテナンスなどの問題を含んでいるため選びました。
報道などの専門家のコメントによると、原因そのものは不明ながら、大規模、広域に複数の発電所が連鎖的に停止した理由は、おおよそ、次のように語られているかと思います。
1.電力網のどこか一部が停止
2.迂回して送電する機能が不全で機能しなかった
3.過剰電流が送電線に発生
4.過剰電流を停止するため送電停止
5.多くの電力網でつながれた発電所が連鎖的に4と同様の停止
▼事件は連日のニュース(2003年8月掲載時)などでご存知かとは思いますが、一応
Yahoo!ニュース - 海外トピックス - 北米大停電の関連ニュース
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/massive_blackouts/
1、2に関しては、設備老朽化や電力自由化による利益追求型の問題などが言われるあたりだと思います。
ソフト、ハードウェア 技術関連の雑記
このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」 vol.36〜vol.64(2003年8/21〜2004年11/18)に 音響と開発の関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。
ソフトウェア開発と開発ツール関連の雑記
機器組込みのエンベデット・ソフトウェア(ファームウェア)の開発に関連したコラムです。 メールマガジン「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」に連載していた技術・開発コラムを編集掲載しています。
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