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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.30】2003年5月15日
□ デジタルアンプの時代、新7.1chフォーマット
□
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□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。
■□■□■ CONTENTS Vol.30 □□□□□□□□□□□□□□□□□
1.開発ツールの話(23)
デバッガ、ICE (10)
2.サウンド(28)
デジタルアンプの時代
3.3GPP音声通信(23)
携帯電話の音響規格のはなし(3)
4.新7.1chフォーマット(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(23) デバッガ、ICE (10)
………………………………………………………………………………………
前回は8番の各種シンボルについてでした。今回も、シンボルの続き
です。
1.CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター
2.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
3.実行の停止(ブレーク、指定場所、条件付きブレーク)
4.1ステップ実行(ソースコード、実行コードでの1行実行)
5.任意部分の実行(および再実行)
6.ヒストリー(各種モニター情報の来歴記録)
7.各種ファイルのロード、セーブ
8.シンボル化(シンボル情報の読み込み、設定、編集)
9.CPU、DSPの内部の状態(レジスタ、フラグなど)モニター
10.プロセッサ周辺のモニター(メモリ、I/Oなど)
▼前回までの内容は、バックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/bn/index.htm
■8.シンボル化(シンボル情報の読み込み、設定、編集)-2-
前回は、「特殊なプロセッサやカスタム化されたプロセッサなどでは、
もしかしたら、ソースレベルはおろかシンボリック・デバッグにすら、
問題があるかもしれません」という所まででした。
今回は、これについて、もう少し詳細に続けます。
初期のデバッガがサポートしていたシンボルファイルは、マップ・フ
ァイルなどと呼ばれる、シンボル名と絶対アドレスが記載されただけ
の極単純な形式が主でした(書式は各種になりますが)。
この場合、デバッガは、アドレスとシンボルの記載された書式付のテ
キストを読み込めれば良いので、形式の異なるファイルなども簡単に
サポートすることも可能ですし、ユーザーが書式変換してシンボルを
加工するのも容易でした。
しかし、動的にメモリ配置される場合には、リローケーションが必要
ですし、シンボルの属性、例えば、コードのアドレス、データのアド
レス(と語長)などデバッグに有効な情報にするには、より高度な情
報が必要になります。
※リローケーション (メモリのロード時の再配置)
▼リロケータブル
ASCII24 アスキーデジタル用語辞典
http://yougo.ascii24.com/gh/05/000548.html
当然ソースレベルデバッグに対応したり、高級言語の変数タイプなど
に対応するにつれて「高度」な情報が主になり、マップ・ファイルは
出力することもできる程度の位置付けになってきます(これが有用な
場合もありますが)。
デバッガで形式が異なるファイルをサポートするのも、内部の情報レ
ベルまで異なるため、対応が難しくなり、おのずと、サポート・フォ
ーマットもある程度限定されてきます。同時に、デバッグ情報の記録
形式とその中に含まれる情報が多いため、ユーザーが簡単に変換する
というわけにも行かなくなります。
そのため、ICE、デバッガのシンボルやデバッグ情報に何らかの工夫
をする必要があるような事態が生じる場合(コンパイラ、リンカ、ア
センブラ、デバッガなどのツールをメーカー混合利用するなど)、デ
バッグ情報出力するためのツールを作ることにパワーが必要になり
ます。
メーカーによって、サードパーティ製の変換ツールで別のデバッグ情
報を変換できたり、シンボルの埋め込みができたりする場合もありま
すが、メーカーのQ&Aなどにはっきりと「他のデバッグ情報は対応で
きません」などと明記されている場合がありますから、事前に検討し
て、ツールを選択するところまで含めて注意が必要です。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発
をお手伝いしています。
http://www.ari-web.com/develop/index.htm
………………………………………………………………………………………
■2.サウンド(28) デジタルアンプの時代
………………………………………………………………………………………
このコラムは音や音響についての話題をお届けしています。
昨年からデジタルアンプのコンシューマーでの採用が、シャープの1
ビットオーディオの全面採用など目立つようになってきたように感じ
ます(2000年前後からコンシューマーでも採用されてきていますが)。
前回はPCMについてでしたが、今回はデジタルアンプの話題にしたい
と思います。
▼Vol.16 2002年10月17日
以前、このメールマガジンのURLクリップで「デジタルアンプのコ
ンシューマ化」としてピックアップしたことがあります。
http://www.ari-web.com/mm/bn/20021017.htm
デジタルアンプは、多くの場合、PWM(Pulse Width Modulation)の
電力スイッチングで、高効率のパワー出力するアンプを指します。
デジタル信号からの電力スイッチングですから、アナログ入力は、デ
ジタル信号に変換(A/D変化)してからパワー部に送られることになり
ます。
デジタル アナログ
入力 ┌───────┐ 出力
───→│デジタルアンプ│───→ スピーカ
───→│ PWM変換 │───→
└───────┘
オーバー → PWM → アナログ
サンプリング
デジタルアンプの良い所は、高効率で熱損失が非常に少なく、消費電
力を低く押えることができる点と、デジタルで伝送された信号を出力
ギリギリまでデジタルで処理することでノイズや歪などが少なくでき
る可能性が高い点です。
以前は、電力スイッチング回路の音質を高音質にすることが技術的に
難しかったため、オーディオ分野ではPWMを利用したデジタルアンプ
は採用されないことが多かったのですが、現在は、技術的にもオーデ
ィオに利用できる高品位なレベルが実現され、コンシューマーのAV機
器に搭載されることが多くなってきました。
小型化しやすく、低消費電力なのでポータブル機器や機器の小型化に
向いていることも理由の1つです。
デジタルアンプは、D級アンプという呼称でも呼ばれますが、古くは、
デジタルのDを使ってアナログのA級、B級アンプに対する、D級アンプ
(音質がB級より劣る)というような冗談半分で呼ばれることもあり
ましたが、現在ではメインストリームになろうかという技術です。
▼三洋電機とB&Oアイスパワー、
D級デジタルアンプ用ICで包括的協業
ASCII24 ニュース 2002年5月28日
(ほぼ1年程前ですね。他にも関連ニュースはありますが...)
http://ascii24.com/news/i/tech/article/2002/05/28/636096-000.html
旧来から詳しい方などには、D級アンプという呼称は、あまり良いイメ
ージがないように思いますが、最近でもD級アンプという言葉は使われ
ていますので、マーケティング的には、以前のイメージが浸透してい
ないということかもしれません(ASCII24の説明でも単にON/OFFするス
イッチング動作で増幅すると説明になっています)
プロ・オーディオでは主流ということにはなっていませんが、音質の
問題が無く受け入れられれば、大電力が必要な商用施設の拡声アンプ
などは、むしろD級アンプが主流ということになる可能性が高いと予想
されます。
先のASCII24の記事になっているD級アンプの事業では「2006年3月末
で、デジタルアンプ市場においてシェア30%を目指す」とされていま
す。「デジタルアンプ市場」であって「アンプ市場」ではありません
が...D級が主流になると見込んでの発言だとは思います。
また、大出力のアンプが小型にできれば、デジタルスピーカが主流に
なる可能性も濃厚かと思います。商用では伝送経路の損失が無視でき
ませんから、伝送経路をデジタルにすることで、その配線や配管のコ
ストも抑えることができます(電源が必要になりますが)。
コンシューマーでもデジタルスピーカは(デジタル入力を持つ、デジ
タルアンプを内蔵したアクティブスピーカ、パワースピーカ)発売さ
れていますが、デジタルスピーカが主か、デジタルアンプが主となる
かは、コンシューマーでは、今の所、予見できない状態ではないでし
ょうか。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。前回までの内容
については、バックナンバーをご覧ください。
▼バックナンバー目次
http://www.ari-web.com/mm/bn/index.htm
………………………………………………………………………………………
■3.3GPP音声通信(23) 携帯電話の音響規格のはなし(3)
………………………………………………………………………………………
(社)電子情報技術産業協会 JEITAの発表によると、2003年3月度の
移動電話国内出荷数量、前年比158.4%と5ヶ月連続のプラスとなっ
た模様です。前期が不調であったため、下期が好調であっても2002
年度(2002年4月〜2003年3月)累計では、前年比97.4%とマイナス
になっています。
▼「統計資料」「2002年度移動電話国内出荷実績」に掲載されて
います。
(社)電子情報技術産業協会 JEITA
http://www.jeita.or.jp
3月度のデータは、移動電話、携帯・自動車電話、公衆PHS全てが
プラスとなっており、特に公衆PHSは、24ヶ月連続マイナスだった
だけにプラスになっているのが特徴的です。
また、NTTドコモは定例記者会見で、2003年度末のFOMA累加入者数
の目標を146万にすることを発表しました。今年に入っての好調に
伴って、月間出荷台数を上方修正した模様です。
▼【ドコモ定例記者会見】今年度末のFOMAの目標は146万
(5/8 ケータイWatch)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13910.html
昨年、2003年3月末に32万の目標だった所、不調が続いた年末まで
は、各所で年度内達成は不可能と言われていましたが、1月から3
月までのの好調で、目標達成(33万)できたようです。
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今回も前回に引き続き携帯電話の音響規格についてご紹介します。
▼前回までの内容はバックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/
3GPP規格書には規格やその計算方法、測定方法などが記載されてお
りますが、それ以外にも音響測定を行う上で参照すべき規格があり
ます。その規格がITU-T規格です。
携帯電話の音響規格のはなし(1)でも触れましたが、3GPP規格は
ITU-T規格と呼ばれる通信規格を参照して規格が策定されています。
ITU-TとはInternational Telecommunication Union
- Telecommunications Standardization Sector(国際電気
通信連合の電気通信標準化部門)の略で、通信関係の規格の国際的
な標準化を進めている組織です。この組織がITU-T勧告(規格)を発
行しており3GPPはこれを一部参照しています。
ちなみに3GPP規格書などにCCITTと出てくることがありますが、
CCITT(国際電気電話諮問委員会)はITU-Tの以前の組織名です。
▼3GPPについてはこちらのページでご覧ください。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)
http://www.3gpp.org/
3GPP規格で参照している主なITU-T規格をご紹介しします。
○ITU-T Recommendation B.12 (1988):
"Use of the decibel and the neper in telecommunications"
○ITU-T Recommendation P.50 (1993):
"Artificial voices"
○ITU-T Recommendation P.57 (1996):
"Artificial ears"
○ITU-T Recommendation P.58 (1996):
"Head and torso simulator for telephonometry."
○ITU-T Recommendation P.64:
"Determination of sensitivity/
frequency characteristics of local telephone systems"
○ITU-T Recommendation P.79 (1999):
“Calculation of loudness ratings for telephone sets.”
○ITU-T Recommendations P.340:
"Transmission characteristics of hands-free telephones"
○ITU-T Recommendation P.501:
"Test signals for use in telephonometry".
○ITU-T Recommendation P.581:
"Use of head and torso simulator (HATS)
for hands-free terminal testing".
○ITU-T Recommendation O.41:
"Psophometer for use on telephone-type circuits".
○ITU-T Recommendation G.122 (1993):
"Influence of national systems on stability, talker echo,
and listener echo in international connections"
以上ご紹介したものは3GPP規格やそのベースになっているGSM規格
で数多く参照している主な規格です。
(P.xxやo.xxなどはITU-Tの規格ナンバーです。)
ITU-T規格書はITU-Tのホームページより入手することができます。
▼ITU-T(International Telecommunication Union
Telecommunications Standardization Sector)
http://www.itu.int/ITU-T/
各規格の内容については次回お話したいと思います。
▼ARIは3GPP,GSM,PDC音響測定に対応した「3G携帯通信開発用
音響測定システム MTA-1WB-S」を開発・販売しています。
http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wbs/info-3gpp.htm
………………………………………………………………………………………
■4.新7.1chフォーマット(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
WEB参照可能な掲載記事などから毎日伝えられるニュースや記事から
気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピックアップ
してご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週という
こともあって新しい記事ばかりではありません)。
■ドルビー、新7.1chフォーマット
音響のコラムでデジタルアンプとホームシアターのことに触れていま
すが、ドルビーラボラトリーズが、7.1chの新フォーマットを公開し
ています(セミナーでの公開)。
▼ドルビー、新7.1chフォーマットなど多チャンネル構想を公開
インプレスAVウォッチ 2003年5月12日
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20030512/dolby.htm
現在の7.1chというのは、5.1ch、6.1chをソースとしてスピーカに音
が流されています。ドルビーデジタル(5.1ch)の場合には、SLとSBLは
同じソース、SRとSBRが同じになり、ドルビーEX(6.1ch)の場合には、
SBLとSBRが同じ(バック)になっています。
┌───┐ ┌─┐ ┌───┐ ┌──┐
│ L │ │C│ │ R │ │SW|
└───┘ └─┘ └───┘ └──┘
┌──┐ ● ┌──┐
│SL│ │SR│
└──┘ └──┘
┌───┐ ┌───┐
│SBL│ │SBR│
└───┘ └───┘
つまり、音源としては、5または6chで、劇場でに近づけようという
スピーカの使い方です。
サラウンドチャンネル自体は、ドルビーデジタルの2ch、EXの3chで
すが、独立した7chではありません。新しい7.1chというのは、7chが
独立したチャンネルになり、SBLとSBRが独立ステレオになるという
ものです。
記事ではSMPTE(Society of Motion Picture & Television Engi-
neer)がデジタルシネマの規格として最大16ch(14chがプログラム用
で2chは難聴者用のサポートらしいです)をドラフトしたのを受けてと
デジタルシネマの音声ドラフト規格DC28.6についても紹介されていま
す。
「一部のチャンネルを5.1chに追加して使う」とステアリング(選択し
たスピーカに音を出して特定位置に音源を作ったり移動する)が主流
になるだろうと紹介されていますが、上方向にスピーカが追加されま
すので、現在、頭上に定位させるのが難しい点などを改善するのにも
利用したいということかと思います。
▼ドルビーラボラトリーズのホームページ
(この関連情報は掲載されていません)
http://www.dolby.co.jp/
………………………………………………………………………………………
■編集後記
タイトルや定型の部分は同じになるよう、雛型から複製して作成して
いるのですが、今年のVol.22から前回のVol.29までタイトルの年が
2002年になっていました(新年Vol.21だけ2003年でした)。
長期間に渡って間違っており、大変失礼いたしました。
バックナンバーでは、HTMLを起す時にタイトルを使っていませんの
で年はついていません。
バックナンバーのHTMLに起すのは難しくはないのですが、固定ピッ
チフォントの指定とリンクの張り直しなど、テキストメールそのも
のを読み込むのではなく、加工して掲載しています。
内容は、間違いなどあっても、配信時のまま掲載して注記に訂正を
記しています。
それでは、次回、2003年6月5日Vol.31もよろしくお願いします。
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