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■ アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ【Vol.17】2002年11月7日
□ 音響エコー / 話速変換機能付きラジオ
□
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□はじめての方へ、
このメールマガジンのご登録をいただきましてありがとうございます。
「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」は、隔週(第1、第3木曜日)
にお届けしています。内容を充実できるようにがんばりますので、末永く
お付き合いいただけますようお願い申し上げます。
■□■□■ CONTENTS Vol.17 □□□□□□□□□□□□□□□□□
1.開発ツールの話(11)
組込CPUのメモリアクセス(3)
2.サウンド(17)
パソコンの静音設計とノイズ
3.3GPP音声通信(11)
音響エコー Acoustic Echo Control
コラム:エコーキャンセラー
4.フォースフィードバック付きタッチパネル(URLクリッピング)
話速変換機能付きラジオ
………………………………………………………………………………………
■1.開発ツールの話(11)組込CPUのメモリアクセス(3)
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前回は、組込系CPU,DSPなどのメモリアクセスについて簡単にご紹介
しました。今回は、メモリアクセスのコードの注意についてです。
▼前回までの内容は、バックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/index.htm
メモリアクセスに関しての注意点の1例をご紹介します。
一般に、高速プロセッサは、外部メモリアクセスは低速な動作となる場
合が多いのでオプティマイザは、メモリアクセス数を少なくするような
コードを生成しようとします。
同一アドレスにマッピングされたI/Oポートを複数アクセスすることで、
読み出し回数によって内容を変更するように設計された周辺I/Oなどの
場合、連続して読み出しアクセスしている行為は無駄なので、初回に
読み出した値を代替として利用するようなコードが生成される場合が
あります。
これは、読み込みと書き込みが異なるレジスタへの書き込みとなるチ
ップの場合も、同様に注意が必要です。
例えば、1つのI/Oアドレスを共用し、読み出したいレジスタの指定を
Aというアドレスに設定し、リカバリータイム後にAというアドレス
を読み出すと、指定した内容が読み出せるというような設計のチップ
では
a)ウエイトコードの削除
b)読み出しデータの置き換え
という、2つのオプティマイズが行なわれたコードが生成される可能
性があります。最近のパソコン用のPentiumなどのようなパイプライン
の予測がなされた場合(Pentiumにこのような周辺I/Oは使わないと思い
ますが)、プロセッサ自身のデータキャッシュすら問題となる可能性が
あります。
……… 余談、Pentium IV ……………………………………
余談ですが、Pentium IVでは、高速化するつもりのコード
は、メモリアクセス量(空間的量)とコードサイズの比重が
非常に大きくなっています。
キャッシュメモリによる高速化が非常に有効に機能してい
るため、同じメモリアクセスであっても集中的に狭い範囲
のメモリアクセスを繰り返してもそれほど実行速度に影響
しませんが、広い範囲のメモリをアクセスするコードでは
途端に実行速度が低下します。
また、コードキャッシュの方式変更(OP CODE化)に伴い
コードサイズが小さいもののキャッシュによる高速化の性
能が高いため、コピー&ペーストして作られたコードサイ
ズの大きなコードや、ループ展開されたコードの性能が芳
しくなく、OP CODEと分岐予測などの技術によって、C++
が生成し勝ちな、断片的な関数コードの実行性能が向上す
る傾向にあります。
………………………………………………………………………
パイプラインまで考慮した最低時間のウエイトコードは実際には、ど
うしているか?と思われるかもしれませんが...
本当に高速化を狙っている場合には、ウエイトを挿入しないコードを
設計します。2つの計算処理を並列に実行しながら最速となるように
設計することで、ウエイトコードに相当する時間は、別の必要な計算
処理などを行なうことで、結果的にウエイトコードがない高速なコー
ドが実現できるように実装上の工夫をして十分なウエイト時間を稼ぎ
ます(目的の処理内容によっては実現不能ですが)
コンパイラなどのツール評価時には、オプティマイザの性質をいくつ
かのコードパターンで把握しておくことで、オプティマイザの生成コ
ードに対する期待と問題を十分認識したソースコードを設計すること
が可能になります。
ちょっと専門的で細かいですね。次回は、もう少し本流に戻します。
それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)。
▼ARIは、デジタル機器のハードウェア、ファームウェアの開発を
お手伝いしています。
http://www.ari-web.com/develop/index.htm
………………………………………………………………………………………
■2.サウンド(17) パソコンの静音設計とノイズ
………………………………………………………………………………………
このコラムは、音や音響についての話題をお届けしています。
ファンレスiMacの登場以来、静音設計を謳うのパソコンが増えました。
以前にパソコンのオーディオ性能に関連したコラムを書きましたが、
パソコンは、内部のシグナルノイズばかりではなく、ファンや、トラ
ンスなどの音、輻射ノイズによるTVなどへのノイズなど、ノイズと
発熱による電力ロスが多い機器の筆頭株ですので、省電力化と静音設
計は多いに歓迎される所だと思います。
…… 不要輻射(EMI) ……………………………………
パソコンなどのデジタル機器の電子回路には、動作するこ
と電波を発生する性質を持っています。
不要輻射とは、このような電子回路から発生される電波に
を指します。この電波は、TVなどにノイズとして悪影響
を与えるため、メーカーでは、低減化するように対策がな
されています。
また、国によりますが、ドイツなどの場合には、電化製品
の不要輻射ノイズのレベルを厳しく規制しています。
現在のパソコンなどは、昔のパソコンに比較すると、非常
に不要輻射のレベルは格段に改善されています。
任天堂のNintendo Online Magagineには、こんな記事
もあります。
▼任天堂 こだわりその4さりげない気配りいろいろ
「不要輻射ノイズとの戦い」
http://www.nintendo.co.jp/nom/9901/sono4/
sono4_01.html
………………………………………………………………………
ファンの騒音がなくなったため、電源トランスなどの振動による音が
非常に気になるようになりました(iMacのことではありませんが)。
機器によってトランスの出す周波数や音量は異なりますが、かなり大
きな音を出している物があり、異常ではないかと不安になることもあ
ります。
家庭の周りを見回すと、冷蔵庫のコンプレッサー音以外にも、蛍光灯
や近所のエアコン外扇機、換気扇の音など以外と雑音が多いことに気
付きます。身の回りの騒音の中でも、問題とされている騒音の中に、
超低周波騒音と呼ばれるものがあります。
可聴帯域(20Hz)周辺の周波数から、可聴帯域以下の空気振動ノイズを
超低周波騒音といいます。可聴帯域以下の低周波騒音は、測定するに
も、通常のマイクなどの音響機器が役に立ちません。一般のマイクは、
音を電気信号に変換するための変換器ですので、可聴帯域以下の低周
波を扱えません。さらに、録音なども同様で、一般のオーディオ機器
は、20Hz以下はDCカット回路などで遮断されるような設計になって
います。
この音というより、空気振動と呼ぶ方がふさわしい、超低周波騒音に
ついては、全く実害を感じない人が多いのですが、中には、生活に支
障をきたすほど深刻な障害となっている人もいらっしゃるようです。
騒音の規制は、可聴帯域が対象ですし、その測定方法も当然、通常の
騒音計を利用して測定されるものですから、超低周波騒音は、騒音の
関連規制は適用外になります。
実際にどのような影響があるのかも、障害を感じる方にしかわかりま
せんので、実感できないのですが、可聴帯域に限らずノイズについて
は、正しい測定による実証と、何らかの対策が必要なのではないかと
感じています。
パソコンは、超低周波騒音は出していませんが...(ハーモニックスと
しては低周波も少し出しているかもしれません)
それでは、次回もよろしくお付き合いください。
▼前回までの内容は、バックナンバーをご覧ください
http://www.ari-web.com/mm/index.htm
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■3.3GPP音声通信(11) 音響エコー
Acoustic Echo Control
………………………………………………………………………………………
毎日新聞の11月2日の報道によると、NTTが、公衆電話の開発を3月で
中止しており、今年の公衆電話の撤去数も相当な数量に上っていると
のことです。固定電話の契約台数の低下も昨年などに報道されていた
ように、携帯電話の普及によって、固定電話、公衆電話の役割が終焉
しつつあることを象徴しているようです。
▼Lycosニュース 2002年11月2日
「NTT公衆電話の開発中止 携帯普及で利用者激減」
バックナンバーが長く参照できる適当なリンク先が見つからなかっ
たので、ニュースにしましたが、まもなく参照できなくなると思い
ます(スミマセン)。
http://news.lycos.co.jp/topics/business/
ntt.html?cat=2&d=02mainichiF1102m142
このニュースは各所で話題にされていましたが、やはり、携帯電話の
通話エリアなどの利用できない場合の利便性の低下を懸念する声と、
阪神大震災で記憶に残った緊急通報時の件などが話題の中心のようで
す。
携帯電話の普及率と、通信局の設置数などが阪神大震災当時とは、全
く異なりますので、災害時などの公衆電話の優先通話による通報の利
点が今でも同様であるとは限らないとは思いますが、事故や火災など
の通報場所同定に公衆電話の通報位置が役立つ点は現在でも有用に機
能しているのかもしれません。
郵政民営化などでも問題となっているように、公共性と経済性を維持
したインフラサービスは難しいですね。
さて、前回は、騒音除去性能測定のお話ををさせていただきました。
今回は、音声通信の第11回 音響エコー測定です。
▼前回までの内容はホームページのバックナンバーをご覧ください。
http://www.ari-web.com/mm/
■9.音響エコー
Acoustic Echo Control
”エコー”を辞書で引くと「こだま、やまびこ、反響」などの意味
が出てきます。電話で話したときに、通話先の端末を通して戻る自
分音声の事を音響エコーといいます。
自分の話した声が大きなレベルで音響エコーとして戻ってきてしま
うと、相手の音声が聞きとりにくくなり、通話品質は著しく悪化し
ます。携帯電話に限らず、固定電話やTV会議システムなど、音声の
通信では、音響エコーを抑える必要があります。
…… エコーキャンセラー ……………………………………
エコーキャンセラー(Echo Canceler)は、名前の通り、
発生した音響エコーを抑える(キャンセル)する技術です。
電話やTV会議システムなどで通話品質を向上させるため
に利用されています。技術的な詳細は控えますが、発信
した信号とループバックして来た信号を使って受信信号
に含まれるエコー成分を除去するのが、エコーキャンセ
ラーの基本的な仕組みです。
最近では、ADSL12MBPSでの採用問題などでも
エコーキャンセラーが問題ににされていましたので、ご
専門ではない方でも、耳にされた方がいらっしゃるかと
思います。
▼このような記事に登場です(URL長いですね)。
ASCII24.com 特集2002年8月31日
【Yahoo! BB】新開発のコンボモデムにより、
3つのサービスを切り替える
http://ascii24.com/news/specials/article/
/2002/08/31/638264-003.html
余談ですが、キャンセルの語源は「格子」の意味のラテ
ン語であることはご存知ですか(先日TV放送でも取り
上げられていましたし、有名なのでご存知かも知れませ
ん)?
取消しの記号に格子マークを利用したため、取消の意味
の言葉としてキャンセルが使われるようになったようで
す。日本語の「棒引き」も同様な発生の仕方と類似した
意味を持ち、文化の違いがありそうで非常に近い所が面
白いですね(^^)。
………………………………………………………………………
測定は、送話器(マイク)に入力される環境騒音の影響をなるべく
少なくするため周囲騒音が-30dB(A)以下の静かな環境で行い、複数
の周波数帯域の特性を測定に、250Hz 〜2.5KHzの正弦波を組合せ
たマルチサイン波を使用します。
マルチサイン波を携帯端末に送信し(基準リファレンス信号)、受話
器→送話器を通してループバックした信号を測定します。送信先の
携帯端末は、無声状態ですので、測定された信号が音響エコーとい
うことになります。
▼音響エコーの測定接続例
http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wb/intro_04.htm
3GPPは、音響エコーの減衰量が一定レベル以上(音響エコーが
一定以下)になる様に規定しており、この規格値を Echo Loss 値
と呼んでいます。
音響エコーのレベルは、送信信号のレベルと相関がありますから、
送信信号のレベルと受信した音響エコーのレベルの差を評価値とし
ます。携帯電話は、音声の周波数帯域が周波数特性として規定され
ていますので、ほとんどの音声レベルの評価において周波数特性と
して規定されています。
エー・アール・アイは3GPP(+GSM,PDC)音響測定に対応し
た「3G携帯通信開発用音響測定システム MTA−01WB−S」
を開発・発売しています。
▼製品情報 MTA-01WB-S(3G、GSM、PDC対応)
http://www.ari-web.com/mobile/3g/mta01-wbs/info-3gpp.htm
………………………………………………………………………………………
■4.(URLクリッピング)
………………………………………………………………………………………
WEB参照可能な掲載記事などから毎日伝えられるニュースや記事から
気になる情報や、翌日には埋もれてしまいそうな記事をピックアップ
してご紹介しています(このメールマガジンの発行周期が隔週という
こともあって新しい記事ばかりではありません)。
タッチパネルの入力時の指へのフォースフィードバック付きのタッチ
パネルを新開発とのことです。
▼SMKリリース 2002/10/30、9/30
「フォースフィードバック 光学式タッチパネル」を開発
−光学式タッチパネルの入力に「クリック感」を実現ー
http://www.smk.co.jp/whatsnew_j/631csc.html
http://www.smk.co.jp/whatsnew_j/628csc.html
モーターやアクチュエータなどの振動体を外部に付加することなく、
タッチパネル自らを振動させる独自の技術と記載されています(詳細
の記載はみつけられませんでした)。
用途の記載に 自動券売機、ATM、キヨスク端末等の各種情報端末
と記載されていました。当然の用途ではありますが、ある日突然、
駅の券売機やATMに採用されていたら...
使用方法によってはドッキリかもしれません(利用者に対する注意が
必要そうです)。
遊園地の「恐怖の...館」などのアトラクションでは、不意の振動で
観客を驚かせているように、自動販売機のタッチパネルが予期しない
所で振動すると、大変おどろかれる方がいらっしゃるように思います。
視覚障害者の方のための点字パネルとの役割分担についても熟考が必
要そうです。
▼日本ビクター 2002年10月31日 報道発表
ゆっくり、はっきり、聞き取りやすい、
新開発「聴取補助システム」搭載 TV/FM/AMラジオ「RA-BF1」
〜高齢者にも使いやすいユニバーサルデザイン採用〜
http://www.jvc-victor.co.jp/products/compo/RA-BF1.html
NHK放送技術研究所の展示会でも展示されていた話側変換技術を利用し
たラジオです。ゆっくり機能(話速変換)、はっきり機能(聴力メガネ
)、聞き直し機能(繰り返し再生)という聴取補助システムがあります。
「はっきり機能」は、「帯域分割音声圧縮技術」という小さい音を大
きく、大きい音を控えめにする信号処理技術を利用したものらしいです。
(はっきり機能の呼称、聴力メガネはTMついています)。
………………………………………………………………………………………
■編集後記
11月になり、東京でも朝晩の冷え込みをはっきりと感じるように
なってきました。寒冷前線を伴う低気圧の動きが一層気になるとこ
ろです。
以前、オーストラリアを旅行中にテレビの天気予報を見た時のこと
です。巨大なオーストラリア大陸全土の予想気圧配置の画面上に、
高気圧 H(High Pressure)と、低気圧 L(Low Pressure)が合計で
わずか3つしかないことでした。
西から順番にH、L、Hと並んでいるだけで、翌日になっても、東へ
一つずつずれ、L、H、Lになる程度。各都市の天気についても予報
は実にスケールが大きく、オーストラリアらしいとも思える豪快な
スタイルです。
日本では3時間ごとの降水確率や1週間先までの予報、その後は各
ローカルコーナーに移り、細かく分けて情報提供されます。季節に
よって花粉、紫外線、洗濯指数などと各TV局の工夫された、情報
コーナーとして確率されていますが、海外では、気象条件の違いや
国土の広さなどの違いからか、天気予報に対する関心が薄いのかも
しれません。
アメリカのCNNなどの予報でも、重点は、ハリケーンと干ばつ、
洪水、異常気象などが中心で(当然、重要ですが)あまり詳細な
局地予報や通常の気象には関心がなさそうです(ローカルには存在
するのでしょうか?)。
日本は、文化論などでも論じられるように、各地の気候差や季節に
よる変化が大きいため、天気の変化などにも関心が高いのかもしれ
ません。
▼日本気象協会のホームページ
http://www.jwa.or.jp/
「季節のたより」のコーナーでは、初冠雪などに関する情報が
掲載されています。
ちなみに、ARI東京技術の所在地八王子は東京都ですが、都内より
気温が少し低く、晩秋というより冬の到来という感があります。
普通は2,3度都内より低い程度ですが、ある日の朝の最低気温は、
7度近く低い日がありました(東京八王子の秋風は...寒いです)。
それでは、次回11月21日Vol.18もよろしくお願いします。
ARI A&S 編集部
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