【Vol.9】2003年4月号 |
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「ARIアメニティ&サウンド マンスリー」は、 毎月 第4金曜日にお届けしています。 みなさまにお楽しみいただけますよう努力する所存ですので、 今後とも末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
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技術・開発コラム ■ 事故とユーザビリティとバグ |
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近年、沿岸の浅瀬などでの座礁海難事故のニュースを よく耳にするような気がしていましたが、 国土交通省 高等海難審判庁の発表によると、 「 GPSでは表示できない浅瀬に座礁する事故などが多発 」とのことで、 やはり、浅瀬での座礁事故は多いようです。 |
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GPS(衛星利用測位システム)と海難 |
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掲載されている 「GPSと海難について」 を見ると原因には、 次のようなGPSと海難事故原因との相関が挙げられています。
一言で言えば、GPSの過信と過失につきますが、 GPSの表示に対する過信については、ともかく、 「気を取られた」や「データ誤入力」、 「理解不十分」などの過失にについては、 機器の開発技術者も考えるべき点があるかもしれません。 「気を取られた」のは、 最終的にはユーザーの責任ではありますが、もしかすると、 注視すべき表示を見やすく工夫するなどユーザビリティによって、 軽減できる内容であったかも知れないからです (今回の発表された事故が GPS航行機器の問題だと言う意図ではありません)。 ユーザビリティこのようなユーザビリティの観点は、 全ての機器やソフトウェアなどを設計、 デザインする場合に当てはまります。 利用者に 「高度な技術的理解が必要」であったり、 「利用に注意が必要」な内容は、 避けられない性質の場合もありますが、 設計やデザインなどによって 回避可能である場合があります。 デザインや仕様が、 人間の誤操作や誤入力を誘発するような 設計になっている場合もあります。
このように書くと、 そのような馬鹿げたデザインはしないと一笑に付されそうですが、 実際には、まじめに検討され、設計された機器であっても、 多機能でありながら操作系が少ない機器の場合には、 類似したようなユーザビリティに陥っている機器もあると思います。 |
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バグ |
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海難事故については、バグや、 機器の誤動作などについての可能性は全く記載されていませんし、 GPS機器では問題が発生していないのだと思いますが、 情報化された現在の機器、ソフトウェアが関わる事故には、 バグによる機器の誤動作の可能性を考えないわけには行かなくなっています。
さきほどのボタンの例のような場合は、 ソフトウェアもハードウェアも正常動作していますが、 仕様設計上、デザイン上のバグともいえます。 人の安全に関わる領域に既に十分、 ソフトウェアが利用されていますし、 社会生活を支える基幹システムも、 ソフトウェア、コンピュータが利用さえれているため 発生する問題は、 2000年問題の時の騒動でご存知の通りです。 2000年問題は、 日時を扱う部分についての設計上、 実装上の問題、バグでした。 2000年を超えて利用されることは想定、 予定されていなかった古い機械などもあるのですが、 設計者の想像力の欠如とも考えられます。
今までに、500円硬貨や千円札などを 自販機がスチール成功 したことは何回もあります (800円の釣りを50円と10円硬貨で返却するなど CSが低い機械ですが... 利益率が良くて販売店とオーナーのCSは高いかもしれません) (TT)。
このように 問題がある機器に日々接していると、 反面教師にして心がけるには良いかもしれません (TT)。 |
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それでは、次回もよろしくお付き合いください。 (^^)
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音と音響の四方山 ■ アナログレコードの光学読み取り |
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ブルーレイディスクの登場となっても、 さらにDVD以降にも継続されそうな 新たな規格グループの設立など 大容量の光ディスクメディアの将来的は、 やはり、混沌とした状態のようです。 少し前になりますが、スキャナで、 アナログレコードをスキャンした画像を コンピュータで音にしたというものが記事で 紹介されていました。 |
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アナログレコードの光学読み取り |
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話題に取り上げられているのは、 スキャナを光学読み取りに利用した点だけで、 コンピュータ処理した後の音は、 何が音源なのか判らない程度の音ということですので、 極論すると画像ファイルから適当に 音を作ったというのに等しいのですが、 スキャナを使おうと発想して実際に実行してしまった 大胆さが評価されてのことでしょう。
参照先の本文中にもリンクが紹介されいますが、 エルプというメーカーが レーザー光線でアナログレコードの溝をトラッキングして 信号を再生する 「針のいらない夢のレコードプレーヤー The Laser Turntable」 という非接触型のレコードプレーヤーを以前から販売しています。 エルプの説明を見ると、 ステレオ記録の左右のV字を正しくトレースするために 5本のレーザーを使っていると記載されています。 スキャナは真上からの画像で、 しかも、記録密度に比較すると、 大抵のものは解像度が低いでしょうし、 信号の振幅に比較してコントラストが不足しています (24bitでスキャンしたとして、 最大から最小までのダイナミックレンジを フルに利用したとしても 輝度として利用できるのは、 CDなどの分解能16bitには届かないでしょう) 。 |
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アナログメディアの性質と音楽 |
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このため、左だけ、 右だけに完全なチャンネルセパレーションで 大きな信号を記録することは不可能です。 例えば、 バス・ドラムを右一杯にパンした マスターテープをカッティングするのは、 不可能か、かなり困難な音楽ソースといえます。 音楽的な理由が大きいですが、実際に、 アナログレコード時代には、 振幅が大きいバス・ドラムの音は、 センター定位させるのが録音メディアとしての常識でした。 CD普及期にバス・ドラムの定位がパンポットで 左右に飛び回っていたり (有名な人では、 ポールマッカートニーだったと記憶しています)、 オートパンで、 左右に移動するドラム音というミックスが出回りましたが、 これは、CDだからこそできる記録方法だから 面白かったのだろうと推測します。
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マルチチャンネルへ |
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現在は、ホーム・シアター・システム 、DVD (とDVD-Audio)、 SACDなどの マルチチャンネル のオーディオソースの音源も、 機器もコンシューマーレベルで普及期にいますので、 実は、コンシューマーの マルチチャンネルは、完全ディスクリート (独立)な5.1chだったり、7.1chのシステムですから、 劇場のサラウンドより、こと、 チャンネルの独立性ということに関しては、 上の場合もありえる贅沢な代物です。 映画のサラウンドでのマルチチャンネルの場合、 各劇場での再生状態を考慮したり、 劇場の残響を想定して制作された音源ですから、 今のコンシューマーのマルチ・チャンネル音源を想定したものでは ないはずです (リマスタリングはあるでしょうが)。 マルチチャンネル がある程度以上普及したと考えられたら、 極めて一般的なコマーシャルな音楽などでも、 コンシューマーのマルチチャンネル再生を前提とした、 音源が多くなるかもしれません。 ただし、 セッティングや音場が好ましく設定されているかという点と、 ステレオ再生との関係は、制作側の方にとって、 さらに悩ましい問題となるのでしょうが... |
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それでは次回もよろしくお付き合いください。 (^^)
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■□ 編集後記 □■ |
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本当は、 アナログレコードと再販制度、 絶版について書こうかと考えていたのですが、 今回はメディアについてにしました。 AVアンプなどでは、 スピーカの距離などから リスニング・セッティングできるようになっていますが、 AVマニアの方ではない一般的な方で、 廉価なホームシアターセットなどを購入された方は、 どのようにセッティングされているものなのか 興味があるところです。 それでは、次回、2003年5月号もよろしくお願いいたします。
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■□ 配信と配信中止 □■ |
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